杉山久子話し出せばたちまち雪となる言葉
わらわらと視察団全員マスク
クリックの果ては地獄よ霜の花
曾根毅冬に入る衝動買いのマングース
能舞台より現れし雪の果
目礼や霞む林檎を掌に受けて
衛藤夏子(船団の会)魚可岸やゆらりゆらりと冬の月
綿虫と語りたい夜青い夜
サイフォンの朝の香や冬に入る
前北かおる(夏潮)ストーブやドコモの電波入ります
ストーブや明日の富士に太鼓判
山小屋のストーブ燃ゆる寝静まる
山本敏倖 (山河代表・豈)紙飛行機の年末はうしろからピカソ
なまこなまこ法的処置を講じます
平熱の裸木折れる堕胎音
こんにゃく玉はとてもずるくて貴公子
白線の火事騒ぎから離陸する
望月士郎どんよりと鮟鱇垂れて指さして
冬の葬うさぎのみみの血脈の
マスクから出ている目玉たちメトロ
モデルハウスに林檎の皮の垂れてゆく
風花の背中ななめに哀しんで